十二指腸乳頭部腫瘍の治療戦略
乳頭部腫瘍に対する手術 乳頭部癌に対する膵頭十二指腸切除と至適リンパ節郭清範囲
萱原 正都
1
,
谷 卓
,
中川原 寿俊
,
北川 裕久
,
高村 博之
,
田島 秀浩
,
大西 一朗
,
伏田 幸夫
,
藤村 隆
,
西村 元一
,
太田 哲生
1金沢大学 大学院がん局所制御学(消化器外科)
キーワード:
十二指腸腫瘍
,
腫瘍再発
,
腫瘍進行度
,
リンパ行性転移
,
膵頭十二指腸切除
,
胆膵管膨大部
,
リンパ節郭清
,
生存分析
Keyword:
Duodenal Neoplasms
,
Lymph Node Excision
,
Lymphatic Metastasis
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Neoplasm Staging
,
Ampulla of Vater
,
Survival Analysis
,
Pancreaticoduodenectomy
pp.1173-1178
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007038497
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
肉眼的に根治手術可能な乳頭部癌切除50例を対象に、乳頭部癌における至適リンパ節郭清範囲について考察した。腫瘤型から混在型、潰瘍型になるにつれてリンパ節転移の頻度が高くなった。m癌全例が転移陰性であったが、Oddi筋を越えると56%の症例に転移がみられた。胃周囲リンパ節転移例はなく、No.13a,No.13bへの転移が高率であったが、郭清のさいに問題となるNo.14リンパ節転移は18%の症例にみられ、No.14bとNo.14dリンパ節が重要な位置を占めていた。リンパ節転移陰性例の5年生存率は80%であったが、転移陽性例でも5年生存率は40%を超えていたことに加え、リンパ節の転移程度による予後の差はみられなかった。以上より、乳頭部癌では神経叢温存No.14リンパ節全周性郭清PPPDを行うことが重要と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2006