発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005007517
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65歳女.右下腹部痛を主訴とした.超音波で8×4cmに腫大した虫垂を認め,急性虫垂炎と診断し緊急手術を施行した.開腹すると虫垂が全体に固くかつ腫大しており,腫瘍の一部を術中病理診断に提出したころ低分化型腺癌であった.なお,肝転移や腹膜転移は認めなかった.そこで術式を結腸右半切除術D3に変更し,術後は全身化学療法5-FU+CDDPを施行した.合併症は無く順調に回復し,その後退院となった.切除標本所見では腫瘍の大きさは8×6×4cmと虫垂全体に及んでいた.病理組織学的診断は低分化型虫垂腺癌,深達度ss,INFβ to γ,脈管浸潤陰性,リンパ節転移陰性であった.4年経過した現在,再発は無く生存中である
©Nankodo Co., Ltd., 2004