発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006198944
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53歳男性.患者は嚥下困難を主訴に近医を受診,食道狭窄が指摘され,著者らの施設へ紹介入院となった.入院時,腫瘍マーカーはCEA高値を示し,上部内視鏡・食道造影では上部食道に全周性狭窄を認めた.精査の結果,他臓器浸潤を伴う胸部中上部食道に発生した食道原発性腺癌と診断し,放射線・化学療法(FP療法)を開始した.経過中にgrade1の白血球数減少とgrade3の血小板数減少を認めたが,保存的に軽快した.治療終了時よりCEAは低下し,CTでの縮小率は89%で,食道切除を試みたが左主気管支への直接浸潤のため切除不可能であり,docetaxelによる化学療法を追加した.治療開始より300日以上経過するが,腫瘍の進展なく外来通院中である
©Nankodo Co., Ltd., 2006