発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010242785
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94歳女。患者は下痢症状と右下腹部痛を主訴とした。画像所見等により急性虫垂炎とそれに伴う後腹膜膿瘍が疑われた。だが、悪性疾患も否定できず、回復手術が施行されたところ、回盲部は一塊となって硬く腫大しており、その硬さから悪性疾患が考えられ、更に回盲部を後腹膜から授動していくと、黄色の膿汁が流出した。盲腸癌または虫垂癌が後腹膜へと穿破したとものと診断され、結腸右半切除術およびD2郭清術を行った結果、病理組織学的所見では虫垂根部を中心として漿膜下層へまで浸潤する中分化型腺癌がみられ、また虫垂先端は壊死し、穿孔とあわせてNo.201のリンパ節転移も確認された。以後、患者は挿管管理を必要としたものの、第5病日目には抜管となり、経過は良好で、再発なく経過している。
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