発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004211681
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39歳男.背部腫瘤を主訴とした.他医にて脂肪腫と診断され,局所麻酔下に摘出を試みたが腫瘍が筋層下に発生していたため手術は中止された.CT,MRIにて腫瘍は脊椎近傍から肩甲骨裏面を経て腋窩部に達しており,筋層下に発生した脂肪性腫瘍と診断した.腫瘍摘出には肩甲骨を挙上する必要があり,過大侵襲を避ける工夫として内視鏡下手術手技を併用した.手術は全身麻酔下,左側臥位で行い,腫瘍直上で脊椎と平行に約5cmの皮膚切開を置いて肩甲骨と筋層をKent吊り上げ鉤にて挙上し,視野を確保した.肩甲骨下の腫瘍を周囲から剥離・遊離し,胸腔用内視鏡補助下に腋窩部の脂肪腫瘍までも一塊に剥離・切除した.摘出物(14×9×3cm)は病理組織学的に良性脂肪腫と診断し,術後経過は良好で再発徴候を認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2004