発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004211682
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74歳女.下肢のしびれ,ふらつきを主訴とした.1997年より心窩部痛,ふらつきにて入院中であったが,1998年8月に高カルシウム血症を指摘された.術前検査にてALP,Ca,PTH,の上昇とP低下を認め,パワードプラ超音波にて甲状腺右葉上極付近の血管影を伴った腫瘤と右葉下極の血管影を伴わない低エコーの腫瘤影を認めた.99mTc-MIBIシンチでは右葉下極に集積を認め,部位診断は不確実であるが原発性上皮小体機能亢進症の診断にて右上極外側の甲状腺結節と腫瘤を摘出したところ,結節は萎縮した甲状腺組織,腫瘤は正常上皮小体組織であった.また,異所性上皮小体腺腫の可能性を考えて甲状腺内を検索したところ,右葉の正常組織内に埋没する腫瘤を発見し,組織学的に上皮小体腺腫と診断され,甲状腺は腺腫様甲状腺腫を合併していた.術後経過は良好でカルシウム,PTHは正常化し,再発を認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2004