発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005166478
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66歳女.6年前に左側腹部に発生した腹壁神経鞘腫切除の既往があった.胸部CTにて第7肋間と第8肋間に径4cmの境界明瞭で内部均一な腫瘤を左側背部胸壁に2ヶ所,径2cmの結節病変を左側胸壁第8肋間に1ヶ所認め,いずれも胸壁由来と思われた.CTガイド下針生検にて神経原性腫瘍と診断,胸腔鏡下に切除した.いずれの腫瘍も連続性はみられず,肋間神経由来と推測された.病理組織像にて異型性の乏しい紡錘形の腫瘍細胞が棚状に配列,免疫組織学的にS-100蛋白陽性,NSEおよびα-SMA陰性であったため,Antoni A型の多発性神経鞘腫と診断した.この組織所見は6年前に切除された腹壁腫瘍と同じであった.確定診断後,頭部画像検査にて異常所見は認めなかった.術後経過は良好で,現在外来にて経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2005