発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004194107
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78歳男性.患者は右第2趾疼痛で近医にてCT上,右膝窩動脈瘤を指摘されたが放置し,約4ヵ月後に右下肢の間欠跛行と疼痛出現のため紹介となった.所見では,右足先にチアノーゼを認め,心電図で完全右脚ブロックと胸部誘導V4~V6でのST低下を認めた.また,右膝上部内側~後面にかけては手拳大の拍動性腫瘤を触知できた.下肢虚血による切迫肢切断状態と判断し,heparinおよびプロスタグランジン製剤を点滴したが,下肢動脈造影では右大腿動脈の数ヵ所で動脈硬化性狭窄を認め,右膝窩動脈は瘤内で閉塞し,遠位部は側副血行路から造影された.一方,冠動脈造影では回旋枝No.11近位部で99%の狭窄を認められ,さらにこれらの造影後には患者は胸痛を訴え,そのため緊急経皮的冠動脈形成+ステント留置を行い,次いで大腿-膝窩動脈バイパス術を施行した.その結果,術後は下肢および心筋虚血とも経過は良好で,術後6週目には退院となった
©Nankodo Co., Ltd., 2004