発行日 2004年1月1日
Published Date 2004/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004157261
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46歳男.職場健診にて施行された腹部エコー所見で膵頭部に石灰化像を伴う直径2cm大の腫瘤を指摘され,精査加療目的で入院となった.入院時,腹部エコー・CT所見から膵鉤部に20×17mm大の境界明瞭な内部に石灰化像を伴った腫瘤を認め,腫瘤内部には高吸収域を呈する部分を,尾側膵鉤部の膵管には拡張を認め,腹部血管造影では明らかな腫瘍濃染やencasementは認めなかった.以上の所見から膵solid and cystic tumor,非機能性膵島腫瘍・漿液性嚢胞腺腫などの可能性を考え手術を施行した.術中所見では膵鉤部に直径約2cmの非常に硬い腫瘤を認め,周囲臓器への浸潤やリンパ節腫脹などを認めなかったため幽門輪温存膵頭十二指腸切除術を施行した.切除標本の病理組織学的・免疫組織学的所見から膵solid and cystic tumorと診断された.術後経過は良好で2年7ヵ月を経過した現在,再発は認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2004