発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004170424
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
74歳男.左上腹部痛を主訴とした.造影CTで,結腸脾彎曲部に長径3cmの充実性腫瘍を認め,腸管内腔の狭窄をきたしていた.腫瘤は造影後期相で造影効果を認めた.また,造影効果を受ける近傍の肥厚した腸管壁と周囲の肥厚した腹膜を認めた.下部消化管造影では,脾彎曲部に約3cmにわたって壁硬化があり,全周性の狭窄を認めた.以上により,腹膜播種を伴う脾彎曲部結腸癌と診断し,開腹手術を施行した.術中迅速診断で,悪性所見は認められなかったため隣接臓器の合併切除は行わず,左半結腸を切除した.病理組織学的所見,免疫組織化学所見により,inflammatory myofibroblastic tumor(IMT)と診断した.術後15ヵ月を経過し,再発は認めていない.結腸原発のIMTは稀で,検索した限りでは本邦報告は見当たらなかった.しかし,結腸原発の炎症性偽腫瘍として19例の報告があり,この中にIMTが含まれている可能性がある
©Nankodo Co., Ltd., 2004