発行日 2004年2月1日
Published Date 2004/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004170423
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輪状軟骨欠損の支持枠補填を目的に,遊離自家気管軟骨を欠損部に移植する方法を考案した.この再建方法を縫合閉鎖が一期的にできないような頸部気管の側壁欠損部再建を3例に施行した.うち1症例を呈示して,手技のポイントを中心に紹介した.再建部のグラフト壊死は1例もなく,全グラフトが生着した.術後3~3年10ヵ月が経過するが,局所再発はなく全例生存している.気道正中部の気管切開孔は2例が自然閉鎖した.全例で気切部が閉鎖された後も吸気時の前頸部の陥凹も生じず,発声にも障害は認めなかった.本術式は,環状切除を回避し,周術期の安全を図ることができた.また,グラフト採取により生ずる一時的気管切開孔は術後数ヵ月を要するが,自然閉鎖が可能であり,従来の開窓術のように補充材料を用いた2期的再建が不要であった
©Nankodo Co., Ltd., 2004