発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2015339738
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47歳女。左頸部腫瘤を主訴とした。甲状腺乳頭癌のリンパ節転移に対する左頸部郭清術の術前処置として牛乳を摂取させたが、郭清後に少量のリンパ漏を認め、結紮により対応するも術後に乳び漏が出現した。保存的療法として左頸部圧迫療法などを行うも乳び漏は減少せず、頸部超音波検査で左頸部に乳びの貯留と左内頸静脈内の血栓形成を認めたため、再手術を行った。多量の脂肪摂取による術前処置で漏出部位は容易に確認でき、左内頸静脈内の血栓除去後に漏出部位を結紮縫合した結果、乳び漏は消失し、術後CTで左内頸静脈の血流を確認できた。本症例は圧迫療法の部位は適当であったが、圧迫圧が強すぎて静脈の還流障害を惹起し、血栓を形成したと考えられた。
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