発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013316891
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58歳男性。喉頭違和感を主訴とした。喉頭ファイバースコープにより左反回神経麻痺が認められた。頸部から胸部CTで上縦隔に食道・気管に接する3cm大の腫瘤が認められた。更にPET-CTでは同腫瘤と右上縦隔リンパ節にそれぞれSUVmax 11.6,4.4の集積が認められた。以上より、本症例は悪性疾患を疑い、全身麻酔下に縦隔鏡下腫瘍生検を行った結果、甲状腺乳頭癌と診断、全身麻酔下に甲状腺全摘+両側頸部リンパ節郭清が行われた。手術は腫瘍の浸潤のため気管からの剥離では左反回神経を合併切除した。また、食道からは筋層を一部合併切除し、甲状腺と共に腫瘍を一塊に切除、食道は直接縫合した。その結果、病理組織所見にて組織学的に甲状腺高分化乳頭癌で、サンプリングした縦隔リンパ節には転移が認められた。尚、経過は問題なく、患者は第12病日目に退院となり、目下、術後1年4ヵ月経過で再発は認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013