発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003304852
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85歳女.右季肋部痛を主訴とした.入院時検査所見,腹部超音波,腹部CT所見より胆嚢癌と診断し,手術を施行した.切除標本所見にて胆嚢底部に結節膨張型の腫瘤を認め,体部に2つの隆起性病変を認めた.病理組織学的に3つの病変はいずれも角化を伴った高分化型扁平上皮癌であった.1970年以降,本邦で切除報告された胆嚢扁平上皮癌32例についての検討を行なったところ,平均年齢は64.7歳で,女性に多く,肉眼型では結節膨張型がもっとも多かった.手術時のStageでは進行例が多数を占め,周囲臓器への浸潤は56.3%に認められた.生存率をStage I~IIIとStage IVの2群に分けて検討し,胆嚢癌全体での近藤らの報告と比較すると,Stage IVでは有意差は認めなかったが,Stage I~IIIでは1年生存率,5年生存率とも扁平上皮癌で有意に予後不良という結果が得られた
©Nankodo Co., Ltd., 2003