発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014122294
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79歳男。右季肋部痛と発熱が出現し近医を受診、胆嚢炎の診断で保存的治療を受けたが症状が再燃し、著者らの施設へ紹介となった。所見では右季肋部に軽度の圧痛、炎症反応と肝胆道系酵素の上昇がみられ、腫瘍マーカーのCA19-9は異常高値を示していた。一方、超音波では壁が著明に肥厚し、壁内に低エコー像が散在しており、RAS内の液貯留と考えられた。また、腹部造影CTでは胆嚢壁はびまん性に肥厚し、壁内にRAS様低吸収域が点在しており、近傍の肝実質に造影効果がみられ。炎症波及が考えられた。以上より、本症例は黄色肉芽腫性胆嚢炎(XGC)が疑われるも、CA19-9の異常高値の持続、胆嚢壁全体に強い集積を認めたFDG-PET所見より胆嚢癌も否定できず、一部肝実質を含めて胆嚢摘出が行われた。その結果、胆嚢壁は著明に肥厚し、粘膜面に不整な隆起を認め、病理所見では胆嚢壁に慢性炎症炎細胞浸潤と泡沫細胞、多核巨細胞を主体とした肉芽腫性炎症が確認され、XGCと診断された。尚、術後は経過良好で術後1ヵ月でCA19-9は正常範囲内に低下した。
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