発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003207580
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77歳男性.下血を主訴に,近医で腹部の巨大腫瘤を指摘され,著者ら施設へ入院となった.腹部CT所見では左側腹腔内に10×16cm大の腫瘍を認め,腫瘍は大部分が低濃度域で,辺縁部のみが造影剤による増強効果を示した.小腸造影所見では小腸上部に6cmの壁変形を認め,陥凹性病変の存在が示唆された.血管造影所見にて腫瘍の頭側では上腸間膜動脈,腹腔動脈,左腎動脈から腫瘍への栄養血管を認めた.以上より,十二指腸空腸曲付近に発生した非上皮性腫瘍の術前診断で,手術を施行した.開腹所見で腫瘍は十二指腸空腸曲に主座をもち,空腸間膜,横行-下行結腸間膜内に膨張性に発育し,腫瘍を小腸,左半結腸とともに切除した.腫瘍は19×12×10cm,重量1070gで,病理組織学的に小腸に発生した悪性GISTと最終診断した.術後,大動脈弁狭窄症に対しICU管理を行い,術後40日目に退院となった
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