発行日 2003年4月1日
Published Date 2003/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003207581
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
69歳女性.左下腹部痛を主訴に,近医の腹水穿刺でゼラチン様腹水を指摘され,著者ら施設へ入院となった.入院時,軽度のるいそう,腹水貯留を認め,血液検査にて軽度貧血,低蛋白血症,腫瘍マーカーCA125の上昇を認めた.腹水細胞診所見にて印環細胞類似の腫瘍細胞集団を認め,腹部MRI検査では多量の腹水による腸管圧排所見を認め,手術を施行した.開腹所見ではTreitz靱帯から90cm肛門側の空腸に鶏卵大の腫瘤を,大網にはゼラチン様腹水を伴う粘液性の播種病巣を多数認め,腫瘍・播種病巣部の空腸部分切除を行った.病理組織学的に空腸粘液癌に起因した腹膜偽粘液腫と最終診断した.術後3週で退院し,外来にて経過観察したが,10ヵ月後に全身衰弱のため死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2003