発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003026461
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69歳男.下血,労作時呼吸困難を主訴とした.上部消化管内視鏡により,上十二指腸角より下行脚に管腔内に突出する易出血性の隆起性病変を認め,生検で比較的稀な平滑筋肉腫と診断した.術前に大量の下血があった為,輸血を行いながら全身状態を維持し,腹部血管造影検査終了後に緊急手術を施行した.少量の漿液性の腹水の貯留を認めたが,腹膜播種,肝転移等はみられなかった為,膵頭十二指腸切除術を施行した.術後6ヵ月目のCT検査で,巨大な出血巣を伴った肝転移巣を右葉に認めた.腹部US検査で左葉にも転移巣を認めた為,観血的治療を断念し,化学療法を行った.肝動注による腫瘍縮小効果はみられず,新たに両肺野に転移巣が出現した.全身化学療法に切り替え,治療を継続したが,術後9ヵ月目に呼吸不全で死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2002