発行日 2003年3月1日
Published Date 2003/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003201006
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84歳女.血尿および排尿時痛を主訴とした.Hbは低下,CRPは軽度上昇しており,腫瘍マーカーではCEAが高値を示した.膀胱内視鏡,腹部CT及びMRI,静脈性尿路造影,注腸造影,大腸内視鏡所見より,S状結腸癌の膀胱,子宮浸潤の診断にて手術を施行した.病理組織学的に,腫瘍は高分化型腺癌で,子宮底部から頸部にいたるまで筋層深く浸潤していた.また,膀胱では底部で腫瘍が内腔に露出してS状結腸と瘻孔を形成していた.術後経過良好にて退院し,術後2年経過した現在まで再発なく外来経過観察中である.自験例では切除標本の病理組織学的検討から腫瘍の壁外性進展が強かったため,消化器症状よりも,血尿,排尿時痛といった尿路症状が先行したものと考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2003