発行日 2002年9月1日
Published Date 2002/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003055015
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76歳女.右側腹痛が徐々に増強し,発熱,右側腹部皮下痛性腫瘤があり,胸部X線,腹部CT所見より,腹腔内へと連続する腹腔内腫瘍の診断を得た為,緊急開腹術を行った.手術所見では右第10肋骨が骨折しており,その骨折片が腹腔内に刺入して肋骨片と上行結腸が一塊となって腫瘍が形成していた.術後問診したところ腹痛を起る2日前に家内で転倒し臀部を打撲していたことが確認された.交通外傷や転落によって肋骨骨折した場合,腹腔内臓器損傷の有無を検査することが不可欠であるが,はっきりした受傷の自覚がなく,受傷後数日を経て腹痛が起る場合は,診断に難渋することがあった
©Nankodo Co., Ltd., 2002