発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003026457
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49歳男.下血,心窩部痛を主訴とした.上部消化管X線,内視鏡,CT,MRI所見等により噴門直上に2cmを超える隆起性病変,噴門直下から胃体上部後壁に直径約7cmの隆起性病変を認め,両病変には連続性があるようにみえた.腹部食道癌の胃への直接浸潤と診断し手術を施行した.下部食道切除,横隔膜部分切除,胃全摘,脾摘,膵体尾部切除を施行し,Roux-en-Yで再建した.手術根治度Bであった.病理組織所見では,両病変間に正常胃粘膜,固有筋層が存在し,連続性は認められなかった.食道癌の胃壁内転移と診断されたが,多くの場合,進展形式は食道壁内転移であり胃壁内転移は稀である.術後8日目に左横隔膜下膿瘍を認めたが,保存的治療で軽快した.退院後,UFT内服の化学療法を施行していたが術後6ヵ月のCTで,腹部大動脈周囲リンパ節に再発を認めている
©Nankodo Co., Ltd., 2002