発行日 2002年8月1日
Published Date 2002/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003026459
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73歳女.嚥下困難を主訴とした.内視鏡所見,CT所見により,進行胃噴門部癌と診断し,開腹手術を施行した.腫瘍は食道に浸潤し左卵巣転移も認められ,S状結腸へ直接浸潤して狭窄をきたしていた.原発巣切除による治療効果はないと判断し左卵巣転移とS状結腸狭窄部を切除して,人工肛門を作製して閉腹した.術後,low dose CDDP+5-FU療法を行い,経過良好であったが約5ヵ月後,腫瘍の進展による噴門部狭窄の為,摂食不能となった.Ultraflex食道ステントを留置し摂食可能になったが約1ヵ月後再び摂食困難となった.内視鏡検査でステント内に腫瘍のingrowthが認められた為,カバー付Ultraflex食道ステントをステント内挿入した.Low dose chemotherapyをCDDP+CPT-11療法に変更して行ったが,徐々に腫瘍の増大を認めた.薬剤を変更して行っている化学療法には,あまり効果は認められない.術後1年6ヵ月を経過した現在,経口摂食可能であり,胸焼けや腹痛等の症状も認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2002