発行日 2004年3月1日
Published Date 2004/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004194103
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高齢者,ハイリスク患者の胃上部癌に対する噴門側胃切徐,食道胃管吻合の臨床的検討を行った.対象は,胃上部癌の噴切後に食道胃管吻合を施行した7例(男性4例,女性3例・年齢71~81歳)で,内訳は早期癌5例,進行癌2例,経過観察期間は平均26ヵ月であった.経口摂取量は退院時に術前の50~80%に低下したが,術後1年では4例が術前レベルに回復した.体重は術後1年の時点で術前の体重まで回復が3例,退院時の体重維持が2例,退院時より減少が2例であった.食後のつかえ感を1例に認めたが,逆流症状やダンピング症状は1例もなかった.術後平均13ヵ月目の内視鏡検査では逆流性食道炎を1例に認めたが,残胃炎や胃石形成,胃癌再発は認めず,血中acetaminophen濃度は墜落型のパターンであった.以上,これらのことからも,本術式は手術手技が簡便で術後QOLも良好であり,高齢者やハイリスクな胃上部癌に有用と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004