発行日 2001年12月1日
Published Date 2001/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002167036
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42歳男.検診時の上部消化管造影にて胃角部の硬化像を指摘された.胃内視鏡検査では胃体部~前庭部の小彎側に広範な発赤を認め,幽門輪直上の小彎前壁に陥凹性(IIc様)病変を認め,同部の生検結果からgroup V,低分化型腺癌が疑われた.胃角部に潰瘍性病変(S1)を認めたが生検ではgroup Iで,超音波所見では深達度M,腹部CT所見で幽門前庭部の壁肥厚と3番リンパ節転移が疑われた.通常開腹で幽門側胃切除術とD2リンパ節郭清を予定したが,術中切除標本の迅速細胞診にて口側断端の癌細胞遺残が認められた為,胃全摘術に変更して,Roux-en Y型再建術を行った.切除標本の肉眼所見では,前庭部に1.0×0.5cmのIIc様病変,胃角部に1.0×0.7cmの潰瘍病変を認め,病理組織学的所見では胃角部小彎に認められた硬結は粘膜下層に胞体が顆粒状の細胞が集簇する像を呈したことから,顆粒細胞腫と診断された.以上の所見から本症例は胃癌に合併した顆粒細胞腫と診断された
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