発行日 2001年12月1日
Published Date 2001/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002175077
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56歳男.肺炎で入院となった.入院時に肝胆道系酵素の上昇が認められ,肺炎治療に引き続き行われた超音波・CTで肝内胆管・総胆管の拡張,ERCP施行時内視鏡で乳頭部の糜爛を伴う腫大が認められた.血清ビリルビンの上昇が認められ経皮経肝胆道ドレナージ(PTBD)を施行し,その造影では総胆管末端の不規則な途絶像,PTCSで総胆管末端に限局腫瘤型,全周性の腫瘤を認め,同部の生検結果から十二指腸乳頭部癌と診断された.PTBD施行後29日目,PTCS下生検後8日目に幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(D2)を施行し,手術的根治度はAで術後経過は良好であった.術後2年目に右側胸部痛を訴え来院し,右胸壁のBTBD瘻孔部の針生検結果から十二指腸乳頭部癌切除術後の胸壁・肋骨転移と診断され,再手術が施行された.第7・8肋骨に直接浸潤した腫瘤を切除したが,6ヵ月後に肝浸潤を伴う局所再発,肺転移が発見され,化学療法を行ったが9ヵ月後に呼吸不全で死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2001