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特集 胃疾患アトラス 改訂版
各論
Ⅰ. 隆起を呈する病変
3. 非上皮性隆起病変
A. 腫瘍性非上皮性病変
胃顆粒細胞腫
Granular cell tumor
赤星 和明
1
,
赤星 和也
1
,
青見 賢明
2
Kazuaki AKAHOSHI
1
,
Kazuya AKAHOSHI
1
,
Yoshiaki AOMI
2
1飯塚病院内視鏡センター
2青見胃腸・内視鏡内科クリニック
キーワード:
胃顆粒細胞腫
,
胃粘膜下腫瘍
,
内視鏡診断
Keyword:
胃顆粒細胞腫
,
胃粘膜下腫瘍
,
内視鏡診断
pp.108-109
発行日 2022年10月20日
Published Date 2022/10/20
DOI https://doi.org/10.24479/endo.0000000376
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疾患の概要
胃顆粒細胞腫(granular cell tumor:GCT)は粘膜下腫瘍(submucosal tumor:SMT)の一種で稀な腫瘍である。GCT自体は皮膚,口腔内,乳腺に好発するSchwann細胞由来の腫瘍で,良性腫瘍と考えられている。消化管での発生頻度は5〜9%1)であり,粘膜下層内のSchwann細胞が起源と考えられている2)。部位別にみると食道(64%),大腸(28%)の順に多く胃(8%)は比較的稀である3)。病理組織学的には,細胞質内にPAS染色陽性の好酸性顆粒が充満し,免疫染色でS-100が陽性となる不整形な細胞がシート状に増殖していることが特徴である。男女比は約2:1,平均年齢は49歳で,臨床症状は無症状であることが多い。存在部位は胃体部から穹窿部に多く,前庭部は少ない3)。治療に関しては,胃切除・局所切除・内視鏡的切除などが報告されているものの,確立した治療法はない。
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