発行日 2007年1月1日
Published Date 2007/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007160137
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症例は49歳の男性で、自覚症状はないが約10日前に小量の比較的新鮮な下血を認めたことを契機に希望により下部消化管内視鏡検査を行い、盲腸に径1cmの粘膜下腫瘍を認めたが生検では確定診断には至らなかった。1ヵ月後に入院にて内視鏡的粘膜切除術を施行し、10×7×7mmの病変が切除され、病理組織学的所見にて顆粒細胞腫と診断した。断端は側方、深部とも腫瘍細胞はなく、完全に腫瘍を切除できたと考えられた。術後経過は順調で追加手術を行わずに経過観察中である。大腸に発生する顆粒細胞腫は稀ではあるが、通常の生検で診断困難な粘膜下腫瘍例では本症の可能性も考慮し、生検方法の工夫や質的診断目的を含めた内視鏡的粘膜切除術も考慮すべきであると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007