発行日 2001年5月1日
Published Date 2001/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002017017
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76歳女.嘔吐,腹痛を主訴に,腸閉塞の疑いで入院した.血液所見では,白血球の軽度増加,CRP,CPKの上昇,空腹時血糖の高値を認めた.腹部X線ではS状結腸に多量の糞便像,直腸壁周囲と左腰筋に沿うガス像を認めた.腹部CT所見では両側腎周囲および後腎側腔の脂肪織内に気泡を認め,直腸前腔,後腔に糞便とfree airの混在する像を認めた.更に大腿動静脈周囲にもfree airを認めた.以上より直腸またはS状結腸の後腹膜穿孔と判断し,緊急手術を施行した.術中所見では,S状結腸直腸移行部の岬角部前面で直腸の右側後腹膜下に留まる多量の硬便を認め,Hartmannの手術を選択した.切除標本,病理組織学的所見より,憩室穿孔と診断した.術後,敗血症の予防と急性循環器不全の治療を行ったところ,経過良好であった
©Nankodo Co., Ltd., 2001