消化管憩室の最近の話題
大腸憩室 大腸憩室の疫学
山道 信毅
1
,
光島 徹
,
小池 和彦
1東京大学 医学部消化器内科
キーワード:
危険因子
,
憩室
,
大腸内視鏡法
,
直腸疾患
,
盲腸疾患
,
有病率
,
年齢分布
,
結腸憩室
,
無症候性疾患
Keyword:
Cecal Diseases
,
Diverticulum
,
Colonoscopy
,
Diverticulum, Colon
,
Risk Factors
,
Rectal Diseases
,
Prevalence
,
Age Distribution
,
Asymptomatic Diseases
pp.421-428
発行日 2016年3月20日
Published Date 2016/3/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016223468
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大腸憩室は欧米で頻度が高くアジア,アフリカで低いことが知られ,全世界で有病率が上昇している疾患である.現在の日本の有病率は25%を超え,憩室部位の分布は変わらないが,その頻度は30年以上にわたり増加している.大腸憩室は若年者では右側(盲腸~横行結腸)優位の分布を示すが,加齢とともに憩室数が増加し,左側(下行~S状結腸)憩室の頻度が高まっていく.われわれの解析では加齢以外に,男性・飲酒・成人後体重増加・喫煙・高HbA1c値・高中性脂肪値が,危険因子として同定された.大腸憩室はほとんどが後天性・圧出性の仮性憩室であり,こうした複合要因による腸管壁の脆弱化や内腔圧の上昇が,発症に寄与していると推測される.
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