発行日 2001年5月1日
Published Date 2001/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002002604
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
76歳男.右臀部の腫瘍,疼痛を主訴とした.3年前に胃癌・右腎癌で胃亜全摘術,右腎摘術を受け,1年前に残胃癌で残胃全摘術を施行され,経過観察中であった.血液生化学所見では,軽度貧血,白血球上昇,CEA高値を認めた.超音波所見では臀部筋層に不整型のlow echoic massを認め,MRIでは大腿骨頭の高さの臀部にT1強調像で低信号の限局性腫瘍を認めた.生検にて胃癌の転移性腫瘍と診断し,腫瘍摘出術を施行した.手術所見では,左大臀筋内に迷入する腫瘍を認めた.切除標本所見は9.6×5.0×3.5cmの表面平滑な紡錘形腫瘍であり,病理組織所見より胃癌の臀筋転移と診断した.術後経過良好で退院したが,食思不振のため再入院し,悪液質に陥り死亡した.剖検の結果,後腹膜,左横隔膜,胸・腹部大動脈周囲リンパ節に転移を認めた
©Nankodo Co., Ltd., 2001