発行日 2001年2月1日
Published Date 2001/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2001185453
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92歳女.著明な腹部膨満を主訴とし,血沈の亢進,低アルブミン血症,腫瘍マーカーでCEA高値であった.腹部CTでは,上腹部から骨盤内にかけて通常の腹水よりやや吸収度の高い均一なlow densityな内容物が腹腔内全域を占め,腸管は背側に固定されていた.腹腔穿刺を行い黄褐色のゼリー状粘液が採取され,細胞診で内容はムチンと判明したため,腹膜偽粘液腫の術前診断で開腹術を施行した.両側付属器切除と虫垂切除を施行し,補助療法にデキストラン製剤を粘液溶解剤として用いた.病理組織所見から卵巣粘液嚢胞腺腫原発の腹膜偽粘液腫と診断した.術後経過良好で腹水再発はみられなかったが肝不全で死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2001