発行日 2001年2月1日
Published Date 2001/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2001180588
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76歳男.血便と体重減少を主訴とし,腹部CT検査,注腸造影検査,下部消化管内視鏡検査,腹部血管造影などからS状結腸癌と直腸粘膜下腫瘍の診断で開腹手術となった.内腸骨動脈仮性動脈瘤に対して,内腸骨動脈結紮術を施行し一時的に止血した.しかし,副側血行路から内腸骨動脈の血流が再開通して,感染が原因と考えられる仮性動脈瘤より会陰創と尿路に出血した.TAEでは完全に止血できず,側副血行の遮断を伴う内腸骨動脈切除を施行して出血は制御できた.内腸骨動脈瘤からの再出血はみられなかったが,左内腸骨動脈切除後に左外腸骨動脈仮性動脈瘤が3ヶ所で発生し,腹腔内出血よりショック状態となり死亡した.外腸骨仮性動脈瘤の成因は,感染と糖尿病が考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2001