臨床経験
収縮性心膜炎に対する心外膜格子状切開術
橋山 直樹
1
,
根本 寛子
,
加藤 綾
,
橋本 昌憲
,
孟 真
,
益田 宗孝
1横浜南共済病院 心臓血管外科
キーワード:
胸部X線診断
,
心エコー図
,
心臓カテーテル法
,
心電図
,
心膜炎-収縮性
,
心膜切除術
Keyword:
Electrocardiography
,
Echocardiography
,
Cardiac Catheterization
,
Pericardiectomy
,
Pericarditis, Constrictive
,
Radiography, Thoracic
pp.765-769
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017338839
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66歳女。主訴は起坐呼吸であった。循環器内科での精査により収縮性心膜炎(CP)が疑われ、心臓カテーテル検査では右室/左室拡張末期圧25/25、右室圧波形はdip and plateauを示した。胸骨正中切開にて右側縦隔胸膜を切開し、原因不明の大量の血性胸水を吸引後、両側壁を横隔神経腹側まで心膜を切除した。体外循環を開始し、心拍動下で左室側壁から後壁までの心膜を切除し、体外循環を離脱後、右室前面の心外膜を1.5cm間隔の格子状に切開した。病理組織学的に切除した胸膜および心膜に悪性所見は認めなかった。術翌日に人工呼吸器より離脱し、術後23日目の心臓カテーテル検査では右室/左室拡張末期圧6/12へ低下し、dip and plateauも消失し、軽快退院した。術後5年経過して心膜炎の再発徴候はなく、NYHA分類I度である。
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