発行日 2014年6月1日
Published Date 2014/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2014244268
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65歳男。35年前にハンドル外傷後収縮性心膜炎で心膜切除を施行された。労作時呼吸困難、下腿浮腫を認め、心臓超音波検査で収縮性心膜炎を疑った。心臓カテーテル検査で収縮性心膜炎と診断した。再発性収縮性心膜炎の診断で、人工心肺による心膜切除を行う方針とした。CT上胸骨と心膜が癒着していると考えられ、再開胸時の心大血管損傷のリスクを考慮し、右腋窩送血の方針とした。また、心膜の高度癒着が予想され、冠状動脈損傷のリスクもあり、超音波メスを用いる方針とした。術後経過は良好で、術後11日目の心臓超音波検査では左室駆出率46.5%と心機能の改善を認めた。術後13日目の右心カテーテルでは、dip and plateauを認めず、左室造影でも左室駆出率56%と心機能の改善を認めた。術後14日目に軽快退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2014