発行日 2009年12月1日
Published Date 2009/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010054009
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62歳男。57歳時に1枝病変の狭心症に対して左小開胸低侵襲心拍動下冠状動脈バイパス術により左内胸動脈(LITA)を左前下行枝(LAD)へ吻合し経過順調であったが、術後4年で労作時呼吸困難が増悪した。胸部CT検査では心膜のびまん性肥厚を認め、心臓カテーテル検査では平均肺動脈楔入圧・右室および左室拡張末期圧・肺動脈圧・右房圧の上昇を認めてそれぞれほぼ同じ圧を示し、心係数は低下していた。収縮性心膜炎の診断でLITA-LAD吻合部周辺の心膜を島状に残し常温心拍動下心膜切除術を行った。術後胸骨断端から出血を認めたため電気メス焼灼した。以後順調に経過し、術後12日目の心臓カテーテル検査では圧データと心係数の改善を認めた。5年以上経過現在も心不全症状は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009