臨床経験
Tangier病に伴う重症大動脈弁狭窄症に対する弁置換術
田村 敦
1
,
吉崎 隆道
,
草処 翔
1川口市立医療センター 心臓血管外科
キーワード:
タンジール病
,
心エコー図
,
大動脈弁狭窄症
,
変異
,
DNA変異分析
,
人工弁置換術
,
ABCA1 Protein
,
胸部CT
Keyword:
Aortic Valve Stenosis
,
Echocardiography
,
DNA Mutational Analysis
,
Mutation
,
Tangier Disease
,
Heart Valve Prosthesis Implantation
,
ATP Binding Cassette Transporter 1
pp.762-764
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017338838
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64歳女。主訴は労作時呼吸困難であった。61歳時に遺伝子解析でTangier病と診断され、ATP binding cassette transporter A1のミスセンス変異を認めていた。血液検査で総コレステロールは124mg/dlであるが、HDLコレステロールが4.3mg/dlと異常低値であり、心エコーでは大動脈弁最大圧較差60.5mmHgであった。胸部CTでは上行大動脈と大動脈弁を含む大動脈基部に著明な石灰化を認め、低体温循環停止下に上行大動脈人工血管置換術と大動脈弁置換術を施行した。術後有効弁口面積係数が0.75cm2/m2とpatient prosthesis mismatch状態であったため早期より心不全症状を呈し、長期にわたる心不全管理を要した。
©Nankodo Co., Ltd., 2017