発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007228161
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40歳女性。5歳時に肺結核の既往があり、下腿浮腫と労作事の息切れを主訴に来院した。陳旧性肺結核による収縮性心膜炎と診断されたが手術を一度拒否し、再度手術目的で入院した。入院時New York Heart Association分類II度であった。単純X線所見で、正面像では右胸郭の変形と右下肺野の石灰化を、側面像では心膜に一致した石灰化を認めた。CT所見では心膜の石灰化と心室のくびれ、および右下肺臓側胸膜の石灰化を認めた。心エコー所見では左室後面から右室前面にかけて心膜輝度は上昇し、心室が石灰化により圧迫されていた。また心カテーテル所見では右室圧曲線でdip and plateauを認めた。陳旧性肺結核による慢性収縮性心膜炎と診断し、両側横隔膜神経間の心膜亜全摘術を施行した。術後早期のCT所見で左側壁から後壁にかけて石灰化心膜の残存を認め、心室のくびれも残存した。結果として術後早期は心不全症状が継続したが、術後約3ヵ月を経て改善し、心エコー所見では心室の拡張障害は改善し、心拍出量も増加した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007