特集 右心不全を考える
識る 収縮性心膜炎でなぜ右心不全が起こるのか
朝倉 正紀
1
1兵庫医科大学 循環器内科
キーワード:
右心室機能
,
胸部X線診断
,
頸静脈
,
三尖弁閉鎖不全症
,
MRI
,
心エコー図
,
心筋症-収縮性
,
鑑別診断
,
心電図
,
心不全
,
心膜炎-収縮性
,
心臓カテーテル
,
胸部CT
Keyword:
Cardiomyopathy, Restrictive
,
Diagnosis, Differential
,
Electrocardiography
,
Echocardiography
,
Jugular Veins
,
Heart Failure
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Pericarditis, Constrictive
,
Radiography, Thoracic
,
Tricuspid Valve Insufficiency
,
Ventricular Function, Right
,
Cardiac Catheters
pp.24-29
発行日 2018年1月9日
Published Date 2018/1/9
DOI https://doi.org/10.18885/J03097.2018088783
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収縮性心膜炎は、心臓を取り囲む心膜の線維化や石灰化により、心臓の拡張が制限される疾患である。心臓の拡張が特に右心系に強く現れるため、頸静脈怒張や末梢浮腫などのさまざまな右心不全症状が出現する。進行するにつれて、一回拍出量が低下するようになり、血圧低下、頻脈、全身倦怠感などの左心不全症状が現れるようになる。診断にはCT/MRIによる心膜肥厚を検出することが重要であるが、心膜肥厚を認めない症例も多く存在するため、心エコー図検査および心臓カテーテル検査を行い、収縮性心膜炎に認められるさまざまな所見を確認しながら、総合的に判断して診断する。特に、拘束型心筋症や重症三尖弁閉鎖不全症との鑑別診断に留意する必要がある。
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