臨床経験
Stanford A型急性大動脈解離に対するdebranch併用ステントグラフト内挿術
佐伯 宗弘
1
,
柚木 継二
,
迫田 直也
,
服部 滋
,
内野 学
,
川畑 拓也
,
藤田 康文
,
久持 邦和
,
吉田 英生
1広島市立広島市民病院 心臓・大血管低侵襲治療部
キーワード:
鎖骨下動脈
,
大動脈瘤
,
動脈瘤-解離性
,
総頸動脈
,
ステントグラフト内挿術
,
胸部CT
,
バイパス術
,
腹部CT
Keyword:
Aortic Aneurysm
,
Aneurysm, Dissecting
,
Subclavian Artery
,
Carotid Artery, Common
pp.1077-1080
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017239788
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85歳女性。意識消失で救急搬送された。CTにてStanford A型急性大動脈解離と診断された。入院後、胸腹部CTではDeBakey分類II型急性大動脈解離を認め、偽腔は開存していた。上行大動脈は40mm、大動脈基部は44mmで、エントリーの位置はsino-tubular junction(STJ)から6cm、リエントリーは左総頸動脈であった。高齢で全身状態が不良であることから保存的治療を開始後、血行動態は徐々に安定し、意識レベルも改善したが、入院5日目のCTでは上行大動脈は48mm、大動脈基部は56mmまで拡大していた。CTでエントリーは上行大動脈であり、左鎖骨下動脈をinflowとする2-debranchを併用したステントグラフト内挿術(TEVAR)を行えばエントリー閉鎖が可能と判断した。入院15日目に手術を施行した結果、術後のCTでは上行大動脈径に変化はなく、偽腔の造影効果は消失していた。腕頭動脈のコイル塞栓術を追加し、患者は術後25日目に転院となった。
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