発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012314021
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Stanford A型急性大動脈解離52例を対象に、内膜損傷が弓部から下行大動脈にあり、frozen elephant trunk法で全弓部置換を行った17例(A群)と、内膜損傷が上行大動脈もしくは中枢側弓部大動脈にあり、上行置換もしくは部分弓部置換を行った35例(B群)に分け、手術成績を比較した。その結果、手術時間や体外循環時間はA群が有意に長かったが、挿管期間、ICU滞在期間、入院期間、術後合併症、手術死亡、入院死亡は2群間に有意差がなかった。次に、A群の術後平均11.6±10.4ヵ月に造影CTで残存大動脈の観察を行い、偽腔開存の判定と弓部大動脈径、Zstentの末梢およびTh12レベルの大動脈径を測定した。その結果、A群の75%に残存解離の偽腔閉塞を認めた。弓部大動脈径は術前後で有意に低下したが、Z stentの末梢およびTh12レベルの大動脈径は有意差がなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012