臨床経験
胸部鈍的外傷による頸部気管完全断裂
山田 昌弘
1
,
安孫子 正美
1公立置賜総合病院 呼吸器外科
キーワード:
気管支鏡法
,
気管疾患
,
胸部X線診断
,
胸部外傷
,
声帯麻痺
,
自殺
,
破裂
,
反回神経
,
鈍傷
,
胸部CT
Keyword:
Bronchoscopy
,
Recurrent Laryngeal Nerve
,
Suicide
,
Rupture
,
Tracheal Diseases
,
Radiography, Thoracic
,
Thoracic Injuries
,
Vocal Cord Paralysis
,
Wounds, Nonpenetrating
pp.1081-1085
発行日 2016年12月1日
Published Date 2016/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017239789
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60歳男性。早朝、バイクにて新聞配達中に門扉に張ってあったロープに気づかず突入し、転倒した。胸部CTでは頸部気管が完全断裂し、挿管後の胸部X線では気管チューブは断裂部手前でとどまっていることが確認された。気管支鏡により再挿入を試みたが末梢断端が確認できず、気道確保は困難であった。呼吸状態が悪化したため、ICUにて頸部襟状切開を行い、気管遠位端を確認し、spiral tubuを術野から挿入して手術室へ搬送した。気管は甲状腺狭部より1軟骨輪上で完全断裂しており、甲状腺狭部を結紮切離後、末梢側断端を確保して、経口挿管に切り替え、頸部気管を端々吻合した。術後は挿管のまま人工呼吸管理を行い、連日bronchial toiletを施行し、第7病日目、気管支鏡下に抜管した。気道は確保されており、誤嚥もなく、患者は第24病日目に退院となった。
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