発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016339102
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は45歳女性で、前胸部のしこりで近医にて右前胸部に鶏卵大の腫瘤を認め、CTで前縦隔から胸壁にかけた腫瘤を指摘され当科紹介となった。右前胸部第1肋間直上に鶏卵大の弾性軟の腫瘤を触知し、X線で右第1弓に接して境界明瞭な腫瘤を認め、CTで左右の腕頭静脈合流部前方に3.8cm大の腫瘤を認めた。MRIではT1、T2強調画像とも低信号で、内部は充実性であった。FDG-PETでは腫瘤に一致して集積を認めた。CTガイド下経皮的針生検では紡錘細胞の過形成、局所的なリンパ球増生を認め、肉腫を疑って手術を行った。腫瘍は胸腺右葉から発生し、胸壁、右肺上葉に浸潤しており、胸腺右葉・胸腺腫瘍摘除+胸壁合併切除+右肺上葉部分切除を行った。病理所見では、核の棚状配列や閲兵配列を認め、免疫染色結果から紡錘細胞肉腫と診断した。術後4ヵ月で生検部皮下に再発を認め、再発腫瘍摘出+胸壁の切除再建を行った。再手術後10ヵ月経過で無再発生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2016