発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009234167
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78歳女性。患者は嗄声を主訴に、胸部CTにて縦隔異常影を指摘され、著者らの施設へ入院となった。所見では胸部X線で大動脈肺動脈窓に腫瘤影、左横隔膜の挙上が認められた。また、胸部造影CTでは前縦隔に5.2×4.2×3.5cmの弓部大動脈と左腕頭静脈に接する腫瘤影、縦隔リンパ節の腫大が確認された。CTガイド生検にて低分化型腺癌と診断され、化学放射線治療後に低体温、分離脳灌流下循環停止で弓部大動脈合併切除(パッチ再建)を行ったところ、完全切除が可能であった。病理組織学的には胸腺癌の治療後状態であり、目下は術後5ヵ月経過で再発はみられていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009