発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014343884
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73歳男。直腸癌肝転移のため、低位前方切除術ならびに左大腿動脈から肝動注化学療法用リザーバーポート留置術を受けた。その後動注リザーバーは使用していなかったが、発熱、全身倦怠感、左下肢痛が出現し、リザーバーポートのMRSA感染によるものと診断され、リザーバーポート摘出術を受けた。このときより大腿動脈に動脈瘤が認められていたが、次第に増大し外腸骨動脈にも動脈瘤を認めるようになった。CT所見にて大腿動脈の動脈瘤は17×10mmおよび16×10mmと増大し、外腸骨動脈にも26×18mmの動脈瘤を認めるようになった。大伏在静脈を用いて右大腿-左膝上膝窩動脈交叉バイパス術を施行し、創はいったん全て閉創し、新たな創で外腸骨ならびに大腿動脈の動脈瘤を切除した。術後のCTでは外腸骨、大腿動脈の動脈瘤は消失し、バイパスグラフトは開存していた。術後経過は良好で、術後21日目に原疾患治療のため転科となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014