発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010107254
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79歳女。胸部CT上異常陰影を主訴とした。左肺癌(腺癌、乳頭型、pT1N0M0、病理病期IA期)にて胸腔鏡補助下手術で左S6区域切除術を受けた際、右上葉S1に空洞形成を伴うスリガラス状陰影を、また、右S2、S3に小結節陰影を認めており、後者が増大傾向を示した。多発肺癌として区域切除+葉切除を行い、病理組織学的所見はいずれも混合型腺癌(細気管支肺胞上皮癌:BAC+腺房型)であり、右S1では空洞壁の一部にも腫瘍細胞を認め、右S2、S3病変は中心部に間質線維増殖を伴っていた。本症例は薄壁空洞形成BACを含む同時性多発癌と診断し、初回手術後1年4ヵ月経過現在、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2010