臨床経験
胸腔鏡下手術中に左B1+2転移気管支を診断しえた左上葉肺癌
小貫 琢哉
1
,
上田 翔
,
山岡 賢俊
,
稲垣 雅春
1茨城県厚生農業協同組合連合会総合病院土浦協同病院 呼吸器外科
キーワード:
気管支
,
気管支鏡法
,
胸腔鏡法
,
腺癌
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
解剖学的変異
,
胸部CT
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Bronchi
,
Bronchoscopy
,
Lung Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Thoracoscopy
,
Anatomic Variation
pp.517-520
発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016339093
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例は83歳女性で、近医のX線で左中肺野の異常影、FDG-PET/CTで左肺S3aに19mmの肺結節を認め、原発性肺癌が疑われ紹介受診した。気管支鏡で左主気管支はB1+2、B3と舌支、下葉支の3分岐で、B1+2は左主気管支膜様部の頭側から分岐し、B1+2とB3は離れていた。手術適応として胸腔鏡下手術を行った。左S3の目標病変を確認し、目的病変を中心に肺部分切除術を行い、術中迅速病理で原発性肺癌(肺腺癌)と診断され、左上葉切除術に移行した。左肺動脈を中枢側から露出すると、その背側から葉間のやや頭側に分岐する気管支を認め、術中気管支鏡にてB1+2が左肺動脈本幹の背側に分岐する転移気管支と診断し、B3と舌支、B1+2転移気管支を別々に離断した。肺動脈の分枝を随時切離し、最後に葉間背側を切離した。CTの再評価で左B1+2が肺動脈本幹背側に分岐していることを確認した。術後経過に問題なく退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2016