臨床経験
急性大動脈解離に伴うKommerell憩室破裂に対する緊急ステントグラフト内挿術
瀬口 龍太
1
,
大竹 裕志
,
吉村 隆宏
,
新谷 佳子
,
西田 佑児
,
木内 竜太
,
山口 聖次郎
,
富田 重之
,
眞田 順一郎
,
松井 修
,
渡邊 剛
1高邦会高木病院 心臓血管外科
キーワード:
大動脈造影
,
動脈瘤-解離性
,
破裂-自然
,
大動脈瘤-胸部
,
CT血管造影
,
緊急手術
,
ステントグラフト内挿術
,
Kommerell憩室
,
右側大動脈弓
,
胸部CT
Keyword:
Computed Tomography Angiography
,
Aortography
,
Aneurysm, Dissecting
,
Rupture, Spontaneous
,
Aortic Aneurysm, Thoracic
pp.443-446
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016303750
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64歳男性。両下肢不全麻痺と心窩部痛を主訴に近医を受診、CTにて急性大動脈解離を指摘され、著者らの施設へ救急搬送となった。胸部X線はじめ造影CT、3D-CT、心エコー所見より、本症例は血栓閉鎖型Stanford B型急性大動脈解離に伴うKommerell憩室の破裂と診断され、緊急で胸部大動脈ステントグラフト内挿術が施行された。その結果、術後は循環動態が安定した。以後、術前より認めた脊髄梗塞に対してスパイナルドレナージを開始するとともに血圧管理を行った。更にリハビリテーションを行なうことで下肢の筋力はMMT2点から4点へ回復、患者は術後第17病日目に紹介医へ転院となった。尚、目下、術後3ヵ月現在、車椅子生活ではあるものの、全身状態は良好である。
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