手術の工夫
偽腔内にステントグラフトを内挿した胸腹部解離性大動脈瘤に対する一期的ハイブリッド治療
大谷 悟
1
,
山本 剛
,
山田 有紀
,
桑田 憲明
1国立病院機構岩国医療センター 心臓血管外科
キーワード:
動脈瘤-解離性
,
大動脈瘤-胸部
,
大動脈瘤-腹部
,
腸骨動脈瘤
,
三次元イメージング
,
大動脈置換術
,
ステントグラフト内挿術
,
偽腔(大動脈瘤)
,
胸部CT
,
腹部CT
Keyword:
Aneurysm, Dissecting
,
Iliac Aneurysm
,
Aortic Aneurysm, Abdominal
,
Aortic Aneurysm, Thoracic
,
Imaging, Three-Dimensional
pp.379-382
発行日 2013年5月1日
Published Date 2013/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2013269698
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50歳男。43歳時に急性大動脈解離でBentall手術+Hemashield 26mmおよび弓部人工血管置換術、48歳時に胸部下行大動脈解離性大動脈瘤破裂で緊急下行大動脈人工血管置換術を受けていた。2年間で解離の残存する胸腹部大動脈瘤が拡大・増大したため手術目的で入院となり、3D-CTで3腔に分かれた胸腹部大動脈瘤を認め、右腎動脈は真腔より、上腸間膜動脈と左腎動脈は偽腔より分岐していた。腹腔動脈は起始部で閉塞し、上腸間膜動脈より灌流されていた。胸腔内から総腸骨動脈の分岐部に及ぶ広範な解離性大動脈瘤と診断し、開腹による腹部大動脈人工血管置換術と腹部分枝再建後にステントグラフト内挿術を併用する一期的ハイブリッド治療を行った。術中、真腔が狭小でステントグラフトの内挿が困難であったため、偽腔内にステントグラフトを内挿した。術後27日の3D-CTで両側腎動脈と上腸間膜動脈へのバイパスの造影効果は良好で、腹腔動脈も胃十二指腸動脈のアーケードを介して造影されていた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013