発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017209366
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
72歳男。背部痛を主訴とした。B型大動脈解離の診断で降圧療法が継続されていたが、遠位弓部大動脈瘤は最大短径58mm、下行大動脈瘤は最大短径56mmに増大したため、手術適応と判断した。治療方針は脊髄虚血による対麻痺予防のため二期的手術とし、まず、嚢状の下行大動脈瘤に対して胸部大動脈ステントグラフト(SG)内挿術(TEVAR)を行い、術後に対麻痺症状は認めなかったが、7日目の造影CTで逆行性Stanford A型解離を認めた。解離は偽腔閉塞型で偽腔の厚さは1cm弱であり、留置したSGには至らないものの上行大動脈から遠位弓部大動脈瘤にまで及んでいたため、上行弓部置換術およびTEVARを行い、救命し得た。
©Nankodo Co., Ltd., 2017