臨床経験
経皮的心肺補助装置を用いた気管腺様嚢胞癌に対する気管管状切除
弓場 智雄
1
,
山下 芳典
,
原田 洋明
,
坪川 典史
,
永田 秀樹
,
高崎 泰一
,
栗田 茂顕
,
藤井 聖士
1国立病院機構呉医療センター中国がんセンター 呼吸器外科
キーワード:
気管支鏡法
,
気管腫瘍
,
気道閉塞
,
呼吸機能検査
,
人工心肺
,
腺様嚢胞癌
,
ECMO
,
胸骨切開術
Keyword:
Airway Obstruction
,
Bronchoscopy
,
Carcinoma, Adenoid Cystic
,
Heart-Lung Machine
,
Tracheal Neoplasms
,
Respiratory Function Tests
,
Extracorporeal Membrane Oxygenation
,
Sternotomy
pp.447-451
発行日 2016年6月1日
Published Date 2016/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016303751
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45歳女性。血痰を主訴に近医を受診、CTにて気管内の腫瘤を指摘され、精査目的で著者らの施設へ紹介となった。初診時、PET-CTでは気管内腫瘍部に一致して異常集積がみられ、気管支鏡検査では声門から約5cmの部位に気管内腔をほぼ閉塞する白色調の腫瘤が認められた。生検の結果、気管腺様嚢胞癌と診断され、治療は腫瘍の気管内占拠で気道確保が困難となる可能を考慮し、体外式膜型人工肺使用下で麻酔を導入後、頸部襟状切開+胸骨正中切開にて気管管状切除再建術が施行された。その結果、術後の合併症なく、患者は19日目に退院となった。尚、術後1ヵ月目には呼吸機能の改善、吻合部の完全治癒が確認され、放射線療法を追加することで、目下も良好に経過している。
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